メリッサ、春から小学生になる。
幼稚園の年長さんになった頃からピアノの通っているが一向に上達しない。が、ドレスを着て発表会に出たいと言う。ピアノが弾けないのに発表会に出すわけにはいかない。ということでメリッサにピアノを教えている。俺は多少だがピアノが弾ける。
小さい手なので運指に苦労している。どうしても楽な指の運び方をしてしまうのでその先の鍵盤を弾くことが出来ない。なので音を間違える。指導にも熱が入る。するとメリッサ、泣いた。メソメソではなく目尻から涙が一筋こぼれた。けれど手は止めない。一生懸命に練習を続けた。
昨日の晩、仕事から帰ったらメリッサがピアノの練習をしようと言ってきた。辛かったのではと思ったが気にせず二人でピアノに向かった。すると昨日よりも確実に上達していた。運指も戸惑いながらも正しい順序で指を運んだ。表情は真剣そのものだった。今度は俺が泣いた。なんだよ。うまいじゃん。
俺たち、最近泣きながらピアノ練習している。