クリストファーの尻にあるほくろはなにをしているか

メリッサ(仮名:娘2.8歳)は今「◯◯なにしてる~」と大人に問うのが彼女の流行りだ。メリッサとクリストファー(仮名:息子1.1歳)と散歩をしているとき、「ねーとーとーなにしてるー?」と聞くので「とーとーはね、今メリッサとクリストファーと一緒に散歩をしているよ」と答える。すると「メリッサなにしてるー?」と聞く。私は、「とーとーとクリストファーと散歩をしているねぇ」と答える。すると「クリストファーはー?」と来る「メリッサととーとーのやりとりを聞きながらカートに乗ってるねぇ」と答える(クリストファーはまだ歩きが拙いのでキャンプ用のカートに乗せられて散歩に行く。)

このやりとりが一日に何度も何度も繰り返される。恐ろしいのが「◯◯なにしてるー」の◯◯の部分が人であるとは限らないことだ。土曜の昼にそうめん食べてたときは「そうめんなにしてるー?」と聞いてきたので「そうめんはね、今からメリッサに食べられるなーって思ってるよ」だったり、庭でカエルを見つけたら「ねーカエルなにしてるー?」と聞いてくるので「カエルはね、あ!やばい!メリッサに見つかった!逃げろ!って言ってるよ。」というと「カエルやばい?」と聞くので、いやいやカエルはやばくない。見つかったことがやばいと思っていると伝えると。いつ?いつやばい?と聞くので、いやいや、いつ?じゃなくて、“みつ”かったらやばい といった感じでメリッサの「◯◯なにしてるー」は今本当に大変なことになっている。

話は変わるけど俺は子どもたちと風呂に入る。メリッサとクリストファーと3人で風呂に入る。最初にクリストファーを洗う。その時メリッサは洗い場あたりでなんかいろいろやってる。次にメリッサを洗う。その時クリストファーは洗い場あたりでなんかいろいろやってる。だいたい洗面器をゴンゴン叩いてる。で、最後に俺が洗う。その時クリストファーは洗い場にいてメリッサは湯船に入ってる。メリッサは俺が顔と髪の毛が無くなった頭を洗い流す数秒で溺れるようなヤワでは無いから安心だ。クリストファーはダメだ。洗面器に溜めたお湯に頭を突っ込んで自ら溺れに行くような状況だから湯船に入れておくことはできない。

俺が洗い終わると先にメリッサが入ってる湯船に俺がクリストファーを抱いてザブンと入る。んで3人でバチャバチャ遊ぶんだけど。そこでもメリッサが「とーとー、アンパンマン水鉄砲なにしてるー?」と問うので「アンパンマン水鉄砲はね、メリッサに遊んでもらって嬉しいなーって言ってるよ」とか「お湯はね、メリッサとクリストファーを温めようと頑張ってくれてるよ」とかって言ったりするんだけど、俺も風呂の中で気持ちよくなってちょっとこのメリッサの「なにしてるー」が面倒になってしまって話を逸らそうとすることがある。で、俺が「ほらメリッサ見てみろよ、クリストファーって尻にでかいほくろがあるんだぜ?」って言ってクリストファーを抱き上げて尻を見せる。少しクリストファーが迷惑そうにしている。メリッサは「ほくろー?ほくろある。クリストファーのほくろー」と言っている。しめしめ。大人は都合よく話題を変えるんだぜ?覚えてな。ちょろいぜメリッサ。なんて思ってたらメリッサが「とーとー、」「ん?メリッサどうした?」嫌な予感がする

「とーとー、クリストファーのほくろ何してるー?」

そうきたか。

「メリッサ、佇んでるよ。クリストファーのほくろはな、クリストファーが生まれたときからずっとクリストファーの尻に佇んでるよ。ごめんな」

なんか謝ってた。最近なんかメリッサに謝ってばっかだな。俺がほんとに謝んなきゃいけないのはクリストファーだよ