ニーポ

これから私はニーポの話をします。私とニーポの話をしたくない人は友達削除してタピオカミルクティーでも飲んでて下さい。ではジョイナス

近所に絶賛言葉覚え期の娘をつれて歩いても30分からず一周できる程度のカジュアルなダムがある。そのダムの周囲は散歩できる道路になっていて交通量も少ないので天気の良い日には家族4人で散歩をするようにしている。ふざけたことを言いつつ草木を愛でながらゆっくり歩くのはとても気持ちが良い。その遊歩道的な道沿いに乗馬クラブがある。私が小学生の頃からあるので割と歴史のある乗馬クラブだと思う。

で、昨日家族で散歩をしているとき、いつもの乗馬クラブの横を通りかかると奥の厩舎に通常サイズの馬がいるのが見えた。娘に「お馬さんがいるよ」というと娘は「お馬さんがいるね」と言った。ふむ。続いて乗馬クラブの駐車場や薪棚などがあったりする雑多なフリースペース的なところで手頃なサイズのポニーが草を食べていたので娘に「ほら、ニーポがいるよ」というと娘は「ニーポ、いるね」と言った。ふむなるほど。ニーポ。ニーポか。

娘が発した「ニーポ」が非常に可愛かったのでその後しばらく娘に「小さい方のお馬さんの名前なんだっけ?」「ニーポ?」や、「草を食べてたお馬さんは?」「ニーポ!」といった感じで娘から発せられる「ニーポ」を楽しんだ。多少罪悪感はあったが我が子の可愛さには勝てなかった。仕方あるまい。しかし事件は起きた。

その後家に帰って俺と娘は庭でしこたま泥だらけになって遊んだので夕方5時前に風呂に入った。風呂上がりに娘はQooちゃんゼリーを、俺はビールを飲みながらまったりしてた。明るい時間から飲むビールめっちゃうまいなって思いながら娘が何か喋ってるのを横で聞きながら良い感じに相槌打ってた。すると娘が、「今日ね、お散歩いった。ポニーいた。」って言い出した。おい待てよ、どうした?ニーポどうしたよ。どこに忘れてきた?ニーポ。ニーポだぜあの小さいお馬さん。ポニーってなんだよって思って混乱してたら娘が、「小さいお馬さん、ポニー」って言い出した。おーい!!!待て待て!ニーポどうした!おーい!ニーポ!!お前のかわいいニーポどうした!?びっくりしてると娘は、「とーとーと一緒にポニー見た」って言った。
そっか。ごめん。そうだよな。小さいお馬さんはポニーだよ。ニーポじゃない。ごめん。

多分だけど娘は知ってたんだな。小さいお馬さんをポニーって呼ぶことを。もしかしたら俺と妻が娘のニーポを楽しんでいることすら「はいはいわかったわかった。言わせたいんでしょ。ほらニーポ。ニーポニーポ。」って感じだったのかもしれない。絶対違うけど。なんならまだ喋らない息子もそれを見て「なんだよニーポって。また親父がくだらないこと言ってるぜ」って思ってたのかも。ちなみに息子は昨日絶対に舐めちゃいけないタイプのあるものをベロリベロリと舐めて私と妻を仰天させている。加湿器の加水ボックスの水でぬれ煎餅作ってた男児の話を聞いたことがあるがやはり男児はやばいなと思った。
どうしよう、この話どう締めようかな。まあなんかそんな感じで週末はニーポでした。フルフィクションです。夏が来るのが楽しみで仕方ないです。