大将の明らかな忖度

昨晩近所の居酒屋で家族で飯を食った。
感染症の不安はあるが個室で家族のみ。守るべきレギュレーションは遵守している。

暑い日が続いていた中、昨日は午前中雨が降った。結果、日中の気温を幾分下げ、午後屋外で活動することが可能になった。バイクを弄っていた。バッグを付けたりハンドルの角度を調整したり。そうこうするうちに16時。妻のキャロラインに聞いた。

「今日はリストランテ・エトワール(仮名。近所の居酒屋)でご飯食べない?」

キャロラインも快諾してくれた。

さっそくメリッサとクリストファー(娘と息子)を手で引くタイプのアウトドア用のカートに載せ、リストランテ・エトワールへ向かった。当然だが酒を飲むので移動は徒歩だ。もちろんキャロラインも飲む。

リストランテ・エトワールはタコの唐揚げからだし巻きたまご、鶏ももの炭火焼き、とうもろこしの天ぷら、山芋鉄板焼きなどなど、何を食べてもうまい。大将がなんかナスのなんかうまい料理をサービスで出してくれた。うまい。酒もうまい。手製のしそ酎ハイを飲んだ。うまい。子どもたちも様々美味しいものを食べて上機嫌だ。完全な個室なので他へ迷惑をかけることも無い。最高だ。最高にうまい。酒も飯も最高。先週の暑さのこと、メリッサのおむつがはずれそうなこと。クリストファーの言葉が増えてきたこと、家族で様々な話をした。おおいに笑った。結果心地よく酔っ払った。大変に気持ちが良かった。

お会計だ。1万円ぴったり。大将の明らかな忖度を感じた。先日サザエやらイカやらをお裾分けしたのが効いたか。ここは大将の気持ちに甘えておこう。

大将と奥さんに美味しい料理のお礼を伝え、完全な夜になる前の、少し明るさが残る田舎道を子供らをカートに乗せて家まで歩いた。帰って子らと風呂に入って寝た。気持ちよく眠りにつく前に、この1万円の使い方はこれまでの人生で最高レベルの1万円の使い方だったのでは?と振り返った。

暑い夏の、それでも僅かに秋の気配を感じさせた午後、妻と家族への労いを込めて。且つ自分への僅かな褒美に。歩いていける近所の食事処へ。食事をさせてくれたことに感謝をし、食事をしたことに感謝をして頂いた。子どもたちも大変喜んだ。妻も機嫌が良い。帰り道の景色も空気も良かった。家族4人で話をしながらゆっくり歩いて帰った。季節の移ろいの僅かな変化を感じることができた。

昨日のことは覚えておこう。
今回の1万円のようなお金の使い方を心がけていたい。