クリストファー先生 2

我が家は家族4人で川の字で寝ている。4人なので正確には 1川 こんな感じだ。
だいたい私が家族の中で1番に起きる。昨日の日曜日、そろそろ起きようかと窓の外を眺めながらぼんやりしていた頃、いきなり顔面に激痛が走った。
「うぉ!!痛え!!!痛ってぇ!!」
思わず声が出た。メリッサ(娘:仮名 3歳少し前)が寝返りと同時に私の顔に蹴りを入れたのだ。くそうメリッサめ、痛えよ、ほんとなんでそんなきれいに回し蹴りできるんだよ、寝てんのに。とか思いながら悶絶していると、ゴソゴソと向こうの方から何かが布団をかき分けて近寄ってきた。

「ぷちぇねぇ?」

名医のクリストファー先生だ。
※注:クリストファー先生

先生が俺の痛みに気が付いて様子を見に来てくれたのだ

「ちぇぱね?ぱーまう?まう?…んめっ!んーめっ!!」

「あ、先生おはようございます。今メリッサに回し蹴…」

「んーめっ!まーう、めっ!ちぇぷね!めっ!」

「ん、なんか先生今日は割と診察に勢いがありますね…」

「めー!!めっ!…… わう?」

先生は最近雨という言葉を覚えたばかりだ。覚えたての言葉をすぐに使いたくなる気持ちはよく分かる。ドラクエやFFで覚えたばかりの魔法を連発するのと同じだろう。違うか。ただクリストファー先生は会話の脈絡に関係なく雨という言葉を使いたいのだ。繰り返すが先生は無免許だ。

「先生、雨ですか?今日は晴れそうな天気ですが」

「んーめっ!!んめっ!ちぇっぷねぇ、ちぇぱね、まう、ねぇ?」

「ほんとですねぇ、もう季節はすっかり秋ですからね。」

「んめっちぇ、ねぇ。」

「メリッサの回し蹴りの件ですが、最近頻度も増えてきて困ってるんです。」

「めっちゃ、めーちゃ、まう?まうま、ぷちぇ」

クリストファー先生は「メリちゃん」という言葉もそろそろ言えそうだ。この頃は「めっちゃ」や、「めーちゃ」と姉のことを呼ぼうとしている。

「ちぇっぷねぇ?ぷねぇ?めちゃ、ちゃぷねぇ!!まーう…めーちゃ?」

「はい、メリッサの回し蹴りが鼻に直接ヒットしまして、あの先」

「んっめーちゃっ!!」

「ホグゥォッ!」

クリストファー先生はいきなり患者の腹にダイブすることがある。無免許なので仕方がない

「先生!痛いです!いきなり腹にダイブするのはやめてください!」

「ぷちぇ…」

「いきなり人のお腹にダイブしてはいけません。」

「ちぇぷねぇ…まう…」

「気をつけてくださいね?わかりましたか?」

「おっきいねぇ…」
おっきいねえとは

最近クリストファー先生は反省することを覚えた

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