やがて短い時間の後に夜が来る

もう東の空は濃紺に染まり、あたりは夕方から夜へと変わり始めていた。

夏の夕方、この時間の空は昼と夜が同時に存在する。東からゆっくりと夜の闇が迫り、昼を西へ西へと追い詰める

風が吹く。日中はあれほどまでに暑く、外で活動をすることが躊躇われるほどに灼熱の世界が広がるが、この時間になるとスーッと涼しい風が

一面を抜ける。その風に青々とその背丈を伸ばした稲穂がサラサラとなびく。ひぐらしがカナカナと鳴き始めるともう一層と夜が近いことを感じさせる。

「あのっ、話があるんだけど。」

そういって彼女の手を思わず掴んでしまった。

今年の夏の始まりはいつもの年に比べるといささか異常とも言える始まり方だったように思う。梅雨の入りは5月末と早く、シトシトと小さな雨が長い時間降り続いた。春の息吹に包まれた美しくにぎやかな世界ははいつの間にか落ち着いた雨の世界へと姿を変えた。色とりどりの紫陽花がそこかしこに咲いたし、道を歩く子供らの小さな雨傘も赤に青にとかわいらしく咲いた。

始まりの早すぎた今年の梅雨だったが、明けるのは驚くほどにあっけなかった。例年であれば梅雨の末期は災害に怯えるほどに雨が降るのがここ数年の常になっていたが、今年はそのような大雨が降ることもなく、梅雨前線が徐々に北上し南からゆっくりと夏がやってきた。拍子抜けするほどに穏やかに夏が訪れた。そうして、夏が始まった。

「話って、何?」

彼女は急に手を掴まれたことに驚きもせずに立ち止まった。ひぐらしの鳴く声があたりに響く。家路を急ぐ子供らの姿も見える。

夏の始まりも穏やかだった。毎日毎日、透き通るような、直視できないほどに澄んだ青空には真っ白な、絵に書いたような入道雲が立ち上った。まともに活動できるのなんて朝の数時間と夕暮れの数時間。あとは日差しと熱気に支配され外で何かをやろうなんて気にはならなかった。それでも子どもたちは虫あみ虫かごを手に自転車で走り回っていたし、海沿いの道路では若者たちが夏を満喫している様子が見れた。夏だった。

夏は不思議な感覚になる。

昨日と今日が曖昧になるというか、1日が個別の存在では無いような不思議な感覚に陥る。それは毎日毎日同じような天気が繰り返すことによるものだけではなく、暮らしにおける外と内が曖昧になることも理由の一つだろうと思う。夏というひとつの季節の中で朝と昼と夜を繰り返している。そういう感覚に陥るのだ。夜の就寝と朝の起床で区切られることの無い感覚。夏独特の感覚だ。

「あのっ、ずっと言えなかったんだけど」

やっと話始めた僕の、次の言葉を彼女が待っている。昼と夜の境目はもう僕らの頭の真上まで来ている。やがて短い時間の後に夜が来る

「その、驚くかもしれないんだけど実は」

あたりを涼しい風が抜ける。

掴んだままになってしまっていた彼女の手をゆっくりと離した。彼女は離された手をさすりながらまっすぐにこっちを見た。すると、

「ロリポップ!真夏の初期費用無料でしょ?」

えっ、どうして、どうしてそのことを、なんで

「ロリポップ!真夏の初期費用無料、そんなことだろうと思った。そうでもなきゃこんなに手を掴んだり、ねえ」

すべてお見通しだったのか。思わず恥ずかしくなって

「そ、そうだよ!たしかにロリポップ!真夏の初期費用無料、つまりロリポップは今初期費用が無料なんだ、でも、あの!」

「ふふ、ロリポップ!真夏の初期費用無料、いいじゃない、それだけで。ほら見て」

彼女が見上げて空を指を指した。

オレンジ色と白と灰色、青と紫、濃紺と黒、様々な色が交じる夏の美しすぎる夕暮れの空、だけどそれを笑いながら見上げる彼女の横顔のほうに見とれてしまった。

「ちょっと、ちゃんと見てる?ほらあれ」

視線に気づいた彼女がもう一度空を指差し、促した。

絵画のような空に一筋の飛行機雲が線を描く。

「きれいね。ロリポップ!真夏の初期費用無料。」

もうほとんど昼は勢いをなくし夜が空を覆い隠そうとしていた。

「ほらみて!さっきの飛行機雲、あれ!」

「ああっ!ほんとだ!」

真夏の夕暮れに現れた飛行機雲はその軌跡で僕たちに美しい「ロリポップ!真夏の初期費用無料」を見せてくれた。

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