ガリガリ(君)

12月も中旬になり、日によっては本格的な寒さに見舞われる日もある。だが既に家の中では暖房がフル稼働しているので当然だが寒いということはない。むしろ微妙な温度調節が難しい暖房器具のせいで家の中で半袖で過ごすこともある。暑いのだ。そんな折、3歳になったメリッサ(仮名:娘)とキャロライン(仮名:妻)で気になるやり取りを耳にした。


「メリちゃんガリガリ食べたいよ〜ガリガリ食べたいっ!」


「ガリガリ君はご飯食べた後に食べようね。ご飯の前に食べるとお腹一杯になってご飯が食べられなくなっちゃうから」


メリッサがガリガリ君を食べたがっていた。林田家では度々ガリガリ君が登場する。キャロラインも好きだし俺も夏場などはどこか出かけてガリガリ君を見つけると特に何も考えず購入し、食べながらうろついたり車を運転したりしている。キャロラインも子供たちを寝かしつけたあと、リビングでガリガリ君を食べながら携帯でゲームをしたりドラマを見たりしているのをよく見かける。ガリガリ君は林田家の日常に深く寄り添ってくれている。


最近メリッサは3歳になった。様々なものを食べられるようになったし俺とキャロラインも積極的にではないが、チョコなどのお菓子やアイスなどこれまで食べさせなかったものも少しずつ許すようにしている。幸いメリッサはよく食事を食べる。よく運動もするので先日の3歳検診でも成長についてはお墨付きをもらった。なのでお菓子関連についてもよほど食べさせられないような刺激があるもの、塩分の高いものなど以外は食べたがったらまず口にさせるようにしている。


ガリガリ君もそうだった。俺とキャロラインが好きなようにメリッサもガリガリ君をはじめて口にしたときからガリガリ君を好きになったようだ。意外にも食べ方が上手なのでエプロンをしてあげてお皿とガリガリ君を渡しておけば、食べ終わった後に手を洗ってあげる程度で良いのも助かる。だがやはり3歳児なりに際限なく食べたがるので度々メリッサとキャロラインのあいだでガリガリ君食べたい、今は食べさせられないの応酬が発生する。


「えーだめだよ〜メリちゃんガリガリが食べたくなっちゃったよ〜ガリガリ〜ガリガリどこ〜」


「ガリガリ君は冷凍庫だよ。でも今は食べられないよ」


そしてメリッサはなぜかガリガリ君を呼び捨てにするのだ。キャロラインも俺も当然だけどガリガリ君を呼び捨てにしたことは無い


「ガリガリ食べたいよ〜ガリガリ〜ガリガリはどこ〜」


「メリちゃん、ガリガリじゃなくて、ガリガリ君じゃない?」


もちろんキャロラインはその度に訂正を促す。ガリガリ君は君まで含めて名称である。そもそも呼び捨てはやはり親としてはあまり気持ちの良いものでは無い。できればメリッサにはガリガリに対し君付けをしてほしい。


「ガリガリ君…、かーかーガリガリ〜食べたいですよ〜ガリガリ〜お願いしますよ〜ガリガリ〜」
※メリッサはお願いレベルが上がると敬語になる


「メリちゃんメリちゃん、ガリガリ君だよね?ガリガリじゃなくてさ、ガリガリ君。ね?」


「かーかーお願いしますよ〜ガリガリガリ〜ガリ〜お願いですよ〜ガリ〜ガリガリ〜ガ〜リガリ〜♪ガリ〜♪」
※メリッサはお願いが通りそうにない時、お願いが歌になることがある。


「すごい!メリちゃんガリガリ君の歌上手じゃん!ガリガリ〜ガリ〜♪」


するとキャロラインも歌い始める。


「ガリガリ〜♪ガリ〜♪ガリガリ〜♪… お願いしますよかーかー!」


歌からいきなりお願いに戻ることもある。

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