まじかるタルるートくんの最終巻

仕事の昼休み、メリッサと散歩をした。
手をつなぎ、雨上がりの近所のなんでもない道を歩いた。
かなり湿度が高かったが、ときおり道端の竹やぶやそばを流れる小川からはスーッと涼しい風が吹いた。

セブンでアイスを買って、二人で食べながらもと来た道を引き返した。
メリッサは普段幼稚園で二人の男の子と3人でサッカーをして遊ぶそうだ。
また、園で育てているきゅうりは収穫期を逃してしまい黄色いおばけきゅうりになってしまったとのこと。
夏休みが終わったらまたみんなで遊びたいと言った。

サンダル履きで出てきたので、雨上がりで道端に溜まった砂が素足にまとわりついた。
メリッサが食べ終わったアイスの棒をよこしてきた。美味しかったかと聞くと、笑いながらうんと答え、同時に両手を挙げ軽くジャンプをした。

夏のBGMはアブラゼミからツクツクボウシへと主役が変わった。刺すような日差しも幾分勢いを弱めたように感じる。
あと10日もすればメリッサはじめ世間の子供らは夏休みが終わり、二学期、つまり秋を迎える。
長梅雨、晴天続き、オリンピック、記録的大雨、そして感染症。様々なことが続く今年の夏も後少しで終わる。年を重ねると季節の移ろいを愛おしく感じる。さらにそこへ幼い子らの成長も重なるのだから尚更。

まじかるタルるートくんの最終巻で語られた龍安寺の吾唯足知について考える。
足りていないものを追いかける日々でありそれが父親としての務めではあるが、今ここにあるもの、かけがえのないものにもしっかりと目を向け、愛で慈しみ、大切にしていきたい

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