【前編】アレクサ「そり↑ま↓ちたかし↑の、ポ↑イズン↓、を再生します」

在宅勤務が続いている。
昨日、いつもと変わらず部屋でお仕事をしていたらFacebookからピコンと通知が飛んできた。エルドレッド(仮名:取引先の人)からメッセージが届いたのだ。

エルドレッドはお取引先でもあり高校の先輩でもある。バイク趣味もお酒の飲み方も似てるので仕事以外でも日々つるんで遊んでいる。そもそもお取引先様だし、だいぶ先輩ではあるがこの場では都合上敬称略にて失礼したい

メッセージでエルドレッドは私にサブマリン工業(仮名:俺の勤務先)のサンダーエンバイロメントフィニッシャー(仮名:うちの会社のイケてるプロダクト)をお客さんに提供したいからということで、サンダーエンバイロメントフィニッシャーについて様々質問をしてきた。私はその都度自分で答えられるものは回答し、答えられないものは社内で確認して返事をしたりした。そんなメッセージのやりとりの中でエルドレッドが非常に耳寄りで有益な情報を教えてくれたのだ。

「林田さん、泣いてる赤ちゃんって反町隆史のPOISON聞かせると泣き止むらしいですよ。是非クリストファー(仮名:息子1歳)が泣いたら聞かせてあげてみてください」

ビビッときた。さすがエルドレッド。情報の差し込み方が常軌を逸している。しかしPOISON?泣き止むのか?と思っていたら抜かりの無いエルドレッドはPOISONを聞かせ泣き止む赤ちゃんの動画を送ってきた。おう、確かに泣き止んどる。非常にありがたい情報だったのでエルドレッドにお礼をした。

そして今朝だ。

今朝は冷え込んだ。天気こそ気持ちよく晴れてはいるがその分気温が下がったのだろう。庭の芝には霜がガッチリ降りていた。明け方は氷点下まで冷え込んでいたと思われる。まだ3月上旬だ。これが本来の寒さなのかもしれない。今年の冬は暖かすぎた。

起きてきたクリストファーは機嫌が悪かった。

「にゃーむ、なぁん、ねぇぃぁあー、んにゃーむ、うぇぇあむ・・」

普段寝起きの良いクリストファーだけに、一度機嫌が悪くなるとはなかなか回復してくれない。だっこをしてみるがぐずりは増すばかりだ。

「うぇんひゃみ!にゃんむんぁあ!ふぇぁなーんみ!んにゃぁーむ!うぁああああん、わぁぁああん」

泣き出してしまった。あー今日はこんなに天気が良いのに。最高の一日にするにはもってこいなのに、朝からこんなにも泣いてしまうクリストファーはかわいそうだ。そんなことを思ったその時頭にエルドレッドがくれた一言が浮かんできた

エルドレッド「是非クリストファーが泣いたら聞かせてあげてみてください」

まさかこんなに早くその機会が訪れるとは!ありがたしエルドレッド!今度しっかりサブマリンチケット(サブマリン工業から福利厚生で支給される提携している飲食店で利用できるチケット)で焼き鳥をご馳走しよう!

キッチンに鎮座するアマゾンECHO(サブマリン工業の四半期お疲れ様会でビンゴかなにかでもらった)に対して力強くこう告げた

「アレクサ!反町隆史のPOISONを流して!」

アレクサ「そり↑ま↓ちたかし↑の、ポ↑イズン↓、を再生します」

イントネーションがだいぶ違うが今はそんなことはどうでもいい。胸が高まっているのがわかる。明らかに俺は高揚している。しばらくするとアマゾンECHOからお馴染みのイントロが流れてきた。

「ジャジャッ!ジャジャジャージャジャッ!ジャジャッ!・・・
ドゥールルルーン♪ドゥールルルルーン♪、ドゥールルルーン♪ドゥールルルルーン♪…」


・・
・・・POISONだ。
確かにPOISONだ。陽炎の揺らめく道路をGジャン?かなにかを肩にひっかけてグラサンかけながら気だるそうに歩く反町の姿が目に浮かぶ

愛する女性を妻に迎え、愛おしい2人の子の父となった今、俺はPOISONと約20年ぶりに再会した。

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