ひよこいろのタント

気持ちの良い朝だった。9月末の早朝。もしかするとこの国でこの地方で最も心地よい季節かもしれない。早朝という時間も良かった。

心地よくスズキを走らせていた。古いVツインの非力な400ccエンジンだがそれでも気持ちよさそうに低い回転数で朝の国道を駆けた。やはりスズキは良い。

走っていたのは車も少ない二車線の走行車線だった。しばらく走らせていると追い越し車線をゴリッゴリにオラついたアルファードが抜いて行った。下げた車高に大径のギラついたホイール、不自然にメッキパーツでデコられたアルファード。おっと思ったその直後だった、そのゴリッゴリにオラついたアルファードを車間50cmでひよこ色のタントが煽りに煽りながら追いかけて行った。親の仇かと思わせる程の煽りだった。

なんかあったんだろうなぁ

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