雨が降っていた。
9回のウラ、ツーアウトフルベース。3点差を追う場面でこの日一度も安打の無い僕に打順が回ってきた。
頭がグワングワンと回っている。おちつけおちつけ、球をよく見ていけ。相手ピッチャーの球種は、クセは、
ネクストバッターズサークルからバッターボックスへ向かう前に頭が真っ白になりそうだった。スタンドの歓声も耳に入らない
野球ばかりをしてきた。
雨の日も風の日も、暑い日も寒い日も。仲間と先輩と後輩と、野球が大好きだった。
大切な試合で勝つことができなかったとき、泣きながらグローブを磨き、シューズをメンテナンスした。
悔しい思いをした時はその分練習に打ち込んだ。あのとき空振りしたボールを打てるようになるために、手を伸ばしてもどうしても届かなかったボールを掴めるようになるために、
仲間と先生たちと、練習に打ち込んだ。中学生、高校生時代は野球がすべてだった。
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バッターボックからでベンチの監督の監督へ視線を向ける。サインはー
打っていけ
ようし、打ってやる。
ピッチャーが大きなモーションから1球目を投げる。鋭いスライダーが外角の低めへ決まった。ストライク。
雨はますます強くなる。帽子とヘルメットから雨粒が滴り落ちる。相手ピッチャーも肩で息をしているのがわかる。
キャッチャーが出しているであろうサインに何度も首を振っている。もう一球スライダーが来るか。
まだ3点差がある。フォアボールを2回続けてもそれでもまだ相手有利だ。無理にストライクを取りには来ないだろう。
ピッチャーが振りかぶって2球目を投げる。内角低めのストレートに対して球審はボールと告げる。なるほど。決めにきてるな。
相手ピッチャーも疲労困憊だ。ここで僕にフォアボールを出せば、その後崩れる可能性が高いということか。つまりバッテリーは僕で勝負を決めに来ている。
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その後案の定しっかりと勝負を仕掛けてくるバッテリーに対し2球を見送り1球をファールとした。カウントはツーボールツーストライク
次の1球が勝負だ。だけどやはり相手が有利。
ピッチャーは先程にも増してキャッチャーのサインに首を振る。スライダーか、直球か。この雨だ。相手も制球に苦しんでいることは間違いない
ようやく意見が一致したのか、ピッチャーは首を縦に振りモーションに入る。スタンドからの歓声が一層大きくなる。
来る。ストレートだ。そう確信して大きくバットを振り抜いた
カキン 金属バットの乾いた音が雨の球場に響く、ボールの行方を目で追いながらも全力で走る。スタンドからは大歓声が上がる。
その歓声に後押しされボールはどんどん伸びる。ボールはレフト際のポールへ一直線に伸びていく。
バックホームに備えていたレフトがボールを追いかけるが徐々にその足がゆっくりになり、そしてスタンドに消えるボールを見送った。
大歓声だったスタンドが一瞬にして静まり返る、どっちだ。入ったのか、ファールか。
雨音だけが響く異常な雰囲気に球場全体が一瞬包まれた後、手を大きく振りながら審判が告げた
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スタンドが一気に沸き立つ。割れんばかりの大歓声。ロリポップ!真夏の初期費用無料!だ。
僕の打ったボールはそのままスタンドに入りロリポップ!真夏の初期費用無料!となった。
見上げると雨はやや小降りになり、西の空から明るくなり始めていた。
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