浦島太郎と猫

むかしむかし、あるところに浦島太郎と猫がいました。
浦島太郎と猫は海で魚をとって慎ましく暮らしておりました。

ある日浦島太郎と猫が海岸をぼんやり散歩していると、子供たちがよってたかって亀をいじめておりました。それを見た浦島太郎と猫は言いました

「こらこら!亀をいじめてはいけないよ!」「にゃんにゃーん!」

すると子供たちは

「うわー!浦島太郎と猫だ!逃げろー!」

悪態をついて逃げていきました。
浦島太郎と猫は亀の様子を伺いました。

「亀さん、大丈夫ですか?」「にゃんにゃーん…」

すると亀は、

「浦島さん、猫さん助けてくれてありがとうございます。お礼に龍宮城へ招待をしましょう」

浦島太郎と猫は言いました

「そうですか。それではせっかくのお誘いなのでお邪魔させてもらいましょう。」「にゃんにゃーん!」

浦島太郎と猫は亀の背中にのって海の底深くへと潜っていきました。
どれくらい潜ったでしょうか、しばらく薄暗かった周りが急にパッと明るくなりました。すると眼下にそれはきれいな龍宮城が見えてきました。

「浦島さん、猫さん、あれが龍宮城ですよ」

「なんとまあ、とてもきれいなお城ですね。」「にゃおんにゃおーん」

浦島太郎と猫を乗せた亀は、竜宮城の入り口へと向かいました。
竜宮城の入り口では乙姫様が浦島太郎と猫を出迎えました。

「浦島さん、猫さん、このたびは亀を助けてくれて本当にありがとうございます。心ばかりのお礼しかできませんが、楽しんでいって下さい」

乙姫様は丁寧に浦島と猫に亀を助けてくれたお礼をし、竜宮城で楽しんでいってくださいと伝えました。
それを聞いた浦島太郎と猫は、

「ありがとうございます。それではお言葉に甘えて少しだけお邪魔をさせてください」「にゃーんにゃん!」

浦島太郎と猫を迎えての宴会はそれはそれは盛大に催されました。タイヤヒラメが舞い踊り、まるでおとぎの国ように華やかで、浦島太郎と猫は時間を忘れて楽しみました。

時間を忘れて楽しんでいた浦島太郎と猫ですが、そろそろ帰らなければと思い乙姫様に伝えました。

「乙姫様、私達はそろそろ帰らなければなりません」「にゃおーんにゃおん」

乙姫様は言いました

「そうですか、残念ですが仕方ありません。ではお土産にこの玉手箱を差し上げます。けれど決して中を開けてはいけませんよ。もしどうしても困ることがあったらそのとき開けて下さい。」

浦島太郎と猫は乙姫様から玉手箱を受け取りました。

「乙姫様、ありがとうございます。さようなら」「にゃおんにゃおおーん」

浦島太郎と猫は亀の背中に乗って帰っていきました。

陸に帰って来た浦島太郎と猫は思いました。

「あれ、どうも来た時と様子が違うなぁ」「にゃおん、にゃおん?」

浦島太郎はそのへんを歩いていた人に聞きました。

「すみません、今は何年ですか?」

するとその人は言いました。

「あんたらもしかして浦島太郎と猫かい!?ぶったまげた!あんたらもう300年も昔に死んだことになっちまってるよ。はぁ〜」

なんと浦島太郎と猫が竜宮城で過ごした数日のあいだ、地上では300年も過ぎてしまっていたのです。
それを知った浦島太郎と猫は悲しみました。

「なんてことだ。300年も経ってしまっていたなんて」「にゃん…にゃおん…」

「そうだ、乙姫様からもらった玉手箱を開けてみよう!」「にゃんにゃーん!」

浦島太郎と猫は玉手箱を開けました。すると

ボワンッ!!!!

「うわっ!なんだこの煙は!」「にゃーん!」

煙が晴れたとき、浦島太郎と猫はおじいさんとおじいさん猫になってしまっていました。

「なんてことじゃ、おじいさんになってしまったぞい」「にゃおおーんにゃおん」

浦島太郎と猫はおじいさんと老猫になってしまいました。おしまい。

といったような、猫やら犬やらをオリジナルのストーリーを崩さないように登場させる昔話を子供たちが寝る前にしてあげています。子供たちからは不評です。

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