クリストファー先生

我が家には何故か本物の聴診器がある。家族に医療従事者がいるわけでは無く私がいつか何かのきっかけで手に入れたものだ。今では子供達の良い遊び道具になっている。特にクリストファー(仮名:息子1.4歳)は聴診器で遊ぶのが大好きだ。よく首から下げて家の中をうろうろしている。往診だ。


ある日私が腰を軽く痛めて和室でゴロゴロしながら少し眠ろうかと思っていた時、ドタバタと近寄ってくる足音が聞こえてきた。クリストファー先生だ。

「先生、どうも腰を痛めてしまったようで、少し見てm」

「ちゃぺねぇ!ぷちぇ、ちぇねぇ!ちぇっぷねぇ!わ?うわう?」

「なるほど。腰の痛みはこれは、」

「わう?わ?ちぇねえ?わちぇねぇ、ちゃぷね?」

グイグイと私の顔を覗き込んでくるクリストファー先生

「ちぇぷ、ちぇぷよねぇ?ちぇ?ぷねぇ?」

「んっ、先生ちょっと近いですね、ちょっちょっと先生」

「わちぇね?ちぇねぇ?ちぇっちぇぷねぇ!」

私の腰をグイグイと押してひっくり返そうとする先生。先生は無免許だ。

「あ、先生ひっくり返ればよいですか?痛いです!痛い!あ!痛い!」

「わう、わうわねぇ!おっきいねぇ!!おっきいねえ!ちぇぷ?ねぇ!」

クリストファー先生は「おっきいねえ!」の発音のみ驚くほど流暢だ

「わちぇぷ、ねぇ!おっっっきいねぇ!」

「先生、おっきいですか?ひっくり返ると結構痛いのですが」

「ちぇね!ちぇ!?わ?ちぇねぇ!!?」

仰向きになった私の顔をグイグイと覗き込む先生、先生の肩にかかった聴診器が私の顔をバッタバッタ叩いている

「先生!痛みの原因は、あ、ちょっと近いです!痛い!近い!あたってる!」

「ちぇねぇ!わあわうわ!?わ?わう!?、ぷちぇねぇ!わーう!」

「あの、先生これは!」


「おっきいねぇ」

大きかった

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